2019年に当協会で「脳卒中を経験した当事者(患者・家族)の声アンケート」が実施された後、患者・家族の課題把握等を目的として、2020年度に当委員会が発足しました。これまでの主な活動実績は下記のとおりです。2020年度:・「脳卒中を経験した当事者(患者・家族)の声アンケート」に関する報告書の作成、プレスリリース。後にこの資料を厚生労働省の第5回循環器病対策推進協議会に参考資料として提出。2021年度:・日本脳卒中学会に委託された厚生労働省令和3年度「循環器病に関する普及啓発事業」の一環として、脳卒中患者・家族向け相談支援動画の作成につき当協会へ協力依頼があり、当委員会が担当。・上記動画「脳卒中で入院した方・ご家族にお伝えしたいこと」とその台本・参考資料は日本脳卒中学会のWEBサイトへ掲載されたほか、当協会のWEBサイト・YouTubeでも公開。・バイエル薬品との協同事業「患者さんのよりよい明日のために脳卒中患者さんと家族からのメッセージ」の一環として、計7本の動画とリーフレットの制作に協力。2022年度:・当協会で厚生労働省令和4年度「循環器病に関する普及啓発事業」を受託し、当委員会が相談支援動画の作成を担当。当委員会が相談支援動画の制作を担当。・脳卒中患者・家族調査事業として、脳卒中患者・家族の実情調査を実施。循環器病対策推進協議会への意見具申を予定。・これまでの脳卒中体験記「入選作品集」の中から心に響くメッセージを会員から募集し、「脳卒中体験者からの心に響くメッセージ365」を作成予定(2022〜2023年度)。 本委員会は、職種や立場の異なる委員の意見交換により、脳卒中を経験された方・ご家族への支援を形にできるよう努めていることが特徴と言えます。今後とも脳卒中・循環器病対策基本計画の動向にも注視し、更なる支援強化につながるよう活動したいと考えています。 日本脳卒中協会は各地域の患者さん、ご家族からの相談、お住まいの皆さんに脳卒中の正しい知識を知っていただくため、本部(大阪)に加え、46都道府県と2政令指定都市に支部を設置しています。第一号の支部は横浜市、現在は宮城県を除く全ての都道府県に設置されています(宮城県とは「公益財団法人 宮城県対脳卒中協会」と協力しています)。 支部の主な事業は、「脳卒中なんでも相談」、「市民公開講座」、医療関係の企業と協同で行う「医療者向け講習会」です。しかし、2019年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が施行され、2020年10月に「循環器病対策推進基本計画」が発表されたこと、2020年から始まったコロナ禍により従来の現地参加方式の市民公開講座の開催が難しくなり、インターネットを用いた会議や公開講座、講習会が活発化したこと、などをうけ、将来に向けて支部のあり方を議論するため「支部体制検討委員会」が設置され、2022年7月10日から議論が開始されました。 患者さん・ご家族の支援をより強化するため、国民の皆さんにもっと脳卒中を知ってもらうために、患者さん・ご家族、とくに都道府県の循環器病対策推進協議会に所属する患者さん・ご家族に協力を仰ぐこと、医師以外の多職種との連携強化を図ること、都道府県との協力体制を構築すること、インターネット時代に即した公開講座の運営を行うこと、などについて議論しています。 本委員会で、支部設置都道府県にお住まいの皆さんが、より恩恵を受けられるよう、より脳卒中の知識が得られるよう、しっかりとした新たな体制が構築できるように進めていきます。 患者・家族委員長 藤井 由記代日本脳卒中協会専務理事・事務局長・支部体制検討委員会委員長 竹川 英宏(獨協医科大学病院 脳卒中センター)患者・家族委員会支部体制検討委員会
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