日本脳卒中協会 創立25周年記念誌
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『健康寿命延伸』を目指す大分県での支部活動 大分県は西に阿蘇・九重連山、東に豊後水道、温泉湧出量も多く、『日本一のおんせん県』としても知られています。人口約113万人、6つの二次医療圏があり、大分大学医学部附属病院を中心にドクターヘリも活用しながら脳卒中医療体制づくりが進められています。大分県支部は2014年度まで平野照之先生(現杏林大学脳卒中医学教室教授)が支部長を務め、脳卒中連携や啓発を中心に活躍されておられました。2015年4月から私が後任となり、副支部長の荒川竜樹先生と共に日本脳卒中協会大分県支部活動を行ってまいりました。2015年に脳卒中市民公開講座を開催し、2019年まで毎年市民公開講座を開催しました。ボランティア有志で作成した演劇や脳卒中リハビリテーション認定看護師による啓発教室も取り入れ、毎年趣向を変えて毎年200名前後の市民に参加していただきました。2017年度市民公開講座では、『健康寿命日本一を目指した脳卒中予防』をテーマに中山博文専務理事、川勝弘之理事にも演台に立っていただき、その様子は日本脳卒中協会ホームページでもWEB講演として公開しています。大分県では2017年3月健康寿命日本一おおいた県民運動推進条例が施行され、生涯健康県おおいたの実現を目標に県民総ぐるみの健康づくりに取り組んでいます。厚生労働省公表の2019年健康寿命調査で大分県は男性73.72歳で初めて1位(前回36位)になり、女性も76.60歳で4位(同12位)になりました。COVID-19対応のためマンパワー不足や感染拡大もあって大分県支部として活動は思うようにできておりませんが、個人活動として大分放送局ラジオでの脳卒中に関するテーマを話す活動を継続しております。他支部での活動を参考に今後も啓発活動などの事業に取り組んでいきたいと思っています。 熊本支部は、2001年3月に日本脳卒中協会の横浜支部に続く2番目の支部として開設されました。急性期病院の脳神経内科や脳神経外科、リハビリテーション専門病院のリハビリテーション科のメンバーを中心に活動を行っています。長年、橋本洋一郎先生が支部長を勤めておられましたが、2022年春に和田邦泰が引継いでおります。 開設時の2001年から月に1回の『脳卒中なんでも電話相談』を行っていましたが、2016年4月の熊本地震、コロナ禍もあって、中断を余儀なくされています。なお、熊本地震では脳卒中協会からも多大な支援を頂きありがとうございました。2011年5月には第14回脳卒中市民シンポジウムを開催、脳卒中無料検査イベント(ストップ! NO卒中プロジェクト)も行いました。2012〜2013年には熊本県の補助金事業として当支部を中心に『くまモンの脳卒中ノート』を作成しました。その後も、市民公開講座を単独でおこなったり、患者さんの団体と一緒に行ったりしています。 熊本ではリハビリテーションの資源が充実しており恵まれた地域でしたが、急性期病院の医師は少なく、連携して『地域完結型の脳卒中診療体制』を構築することで解決してきました。また、超急性期脳梗塞に対する血栓回収療法が可能な施設が限られる問題に対して、熊本血栓回収療法地域格差解消プロジェクト(K-EARTH : Kumamoto Elimin Ating Regional THrombectomy disparity)を立ち上げ、多くの県民が同治療を受けられるようになってまいりました。 今後も熊本県支部のチームワークの良さを大いに発揮して、脳卒中患者さんやご家族を支えて参りたいと考えております。大分県支部 支部長 湧川 佳幸2011年5月28日 熊本市民会館2017年市民公開講座 会場の様子①2017年市民公開講座 会場の様子②支部長 和田 邦泰(台風直撃の中、開催)支部長 湧川 佳幸

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