参議院議長 尾辻 秀久一般社団法人 日本脳卒中学会理事長 小笠原 邦昭 日本脳卒中協会創立25周年、おめでとうございます。貴協会は、「脳卒中の予防・啓発」、「脳卒中患者の自立支援」を目的に掲げ、活発な活動を続けてこられました。創立時より国家戦略の重要性を訴えられ、2008年に「脳卒中対策基本法」法制化運動を開始されました。2度の政権交代、東日本大震災による大混乱を経て、2013年に「脳卒中対策を考える議員の会」が発足しました。私が会長に就任し、事務局長の石井みどり参議院議員や多くの超党派の議員同志とともに「脳卒中対策基本法」法制化に取り組んできましたが、議員間の見解の相違、政局の問題等もあり、活動は困難を極めました。2014年にやっと参議院厚生労働委員会で発議しましたが、継続審議、そして廃案となりました。 結局、より多くの議員、学会・団体関係者を巻き込んで、「脳卒中・循環器病対策基本法」に衣替えし、再スタートしました。それでも、成立の見通しが立たない状況が続きました。私自身、与野党問わず、主要な議員の皆様方と何度も協議し、協力をお願いしてきました。2018年12月の臨時国会最終日に本法案が成立した時は、協会の皆様の頑張りにやっと報いることができたと、安堵の胸をなでおろしました。 法律は成立した時がスタートです。基本法は特に、その後の取り組みが重要です。そのため私は、フォローアップ議員連盟を組織し、政府の取り組みを監視、指導し続けています。この度、会長職は退きましたが、法律の行く末を見守り続けます。 私の政策の中に、「健康寿命の延伸」、「人間一人ひとりが、尊厳を以て生きることのできる社会づくり」があります。これらは、日本脳卒中協会の目指すところと一致します。貴協会の益々の健闘を祈念しています。 日本脳卒中協会創立25周年おめでとうございます。役員の皆様のみならず会員の方々にとりましては喜びも一入ではないかと拝察いたします。日本脳卒中協会創立25周年に際しましてお祝いとともに日本脳卒中学会との関係を述べさせていただきます。日本脳卒中協会は創立25周年になりますが、日本脳卒中学会の創立は1975年に遡ります。日本脳卒中学会は当初日本人の死因としてだんとつで第一位であった脳卒中を撲滅しようという目的で設立されました。しかし、設立後しばらくは、基礎研究を中心とする研究の学会発表が中心でありました。2000年代に入り、専門医制度の整備、血栓溶解療法の普及、ガイドラインの策定が日本脳卒中学会の主な仕事となりました。ただ、まだこの頃は協会と学会のコラボレーションは少なかったと認識しています。この関係を変えたきっかけが脳卒中対策基本法制定の機運でした。日本脳卒中協会は前理事長の山口武典先生、現理事長の峰松一夫先生、専務理事の中山博文先生の強力な推進力で法制化に尽力されていました。脳卒中学会もこの力におされ、微力ながら協力をさせていただきました。基本法成立後の基本計画発出後は、本来患者目線あるいは多職種目線で脳卒中医療を推進していた協会と社会的な役割を果たそうとする団体に変わった学会との間で協力をする場面が増えました。この協力関係は国も認めております。日本脳卒中協会に対しまして日本脳卒中学会を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。 日本脳卒中学会は、今後とも脳卒中学の推進とともに本邦の脳卒中医療の推進を行い社会貢献をしていく所存です。日本脳卒中協会におかれましては、さらなる発展と目的の達成のための当学会とのご協力をよろしくお願いいたします。祝 辞創立25周年おめでとうございます
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