神戸市立中央市民病院(当時)では、2004年に脳卒中センターを開設し、脳卒中診療に病院あげて取り組むことになり、菊池晴彦院長(当時)より兵庫県支部を開設するよう指示を受けました。本部に届け出て2006年に登録されました。登録前、協会には「本部事務局と28支部(26都道府県、2政令指定都市)があります」とのことでした。病院のご好意で支部の部屋を確保し、電話とFAXを備えて、脳卒中相談の受付を始めました。本部の支部一覧に掲載していただき、FAX相談を受け付けることがアナウンスされ、さほど多くはなかったのですが患者さんや家族からの問い合わせに対応しました。 当時、脳卒中週間が5月最終週でしたので、兵庫県支部でも市民公開講座を開催しました。第1回は2007年7月です。11月に支部長の坂井信幸がNPO法人日本脳神経血管内治療学会第23回学術集会を開催しましたので、4ヵ月後に第2回の市民公開講座を開催しています。 脳卒中相談と市民公開講座の開催は、兵庫県支部が主催する活動として継続してきましたが、その他にも脳卒中関係の学術講演会、神戸広域脳卒中地域連携協議会を後援するなど、医療者や患者家族との関わりを持ってきました。その間、事務局長は山上 宏(現国立病院機構大阪医療センター)、藤堂謙一(現大阪大学脳神経内科)、尾原信行(当院脳神経内科)が務めています。 新型コロナ感染症が蔓延する直前の2019年に11月に開催日を移し、会場も神戸市立医療センター中央市民病院の講堂として、講演だけではなく体験コーナーを設けて好評を博しました。コロナ禍で開催できなかった市民公開講座ですが、先日の11月23日に3年ぶりに開催しました。患者家族のコミュニケーションをはかる場(脳卒中サロン)を設けましたが、予想より多くの方々の参加を得て盛況でした。 脳卒中循環器病基本法の制定により、国を挙げて脳卒中への取り組みが推進されます。推進計画では、市民への啓発活動、患者家族の視点に立ったアプローチが重要視されています。脳卒中協会の取り組みはますます重要になります。兵庫県支部でも、本部の指導を受けながら積極的に取り組む所存です。今後とも何卒宜しくご指導賜りますようお願い申し上げます。兵庫県支部 支部長 坂井 信幸(神戸市立医療センター中央市民病院) 日本脳卒中協会は1997年の創立で、今年が25周年の記念すべき節目です。奈良県支部は、奈良県西和医療センター等の院長を歴任された川口正一郎先生がその礎を作ってこられました。筆者は、2013年に川口先生から副支部長に推薦され、日本脳卒中協会の仕事に携わらせていただくようになりました。支部長だった川口先生が脳神経外科でしたので、バランスを考えて循環器内科の私を選んでくださったと理解しております。奈良県支部での活動の第一は、市民啓発活動であり、毎年10月に行われる「日本脳卒中協会奈良県支部市民公開講座」は、一般市民の方を対象に、脳卒中診療にかかわる脳神経外科医や、心房細動の管理に詳しい循環器内科医などの各分野の専門医が、脳卒中の予防と治療さらにリハビリや生活指導などをお話する貴重な機会となっています。それに加えて、実地医家の先生方に対する脳卒中専門医の講演等による医師教育も重要なミッションと考えています。川口先生が県外の病院に移られたタイミングで、2020年支部長を筆者が引き継がせていただきました。2022年はオミクロン株による感染が広がっている年ではありますが、副支部長の弘中康雄先生(脳神経外科医)とともに10月に市民公開講座と臨床医対象の教育講演を企画しております。そして今年は、ライトアップの企画にも参加できるように各方面に働きかけております。筆者は、奈良県循環器病対策推進会議の委員としても活動しておりますが、脳卒中・循環器病の予防、治療、リハビリの体制をしっかりと整備して、脳卒中になりにくい街、なっても迅速で適切な治療が受けられる街、そして後遺症に対しても地域で安心してリハビリを続けられる街、いつでもだれでも心配事を相談できる街を作っていきたいと考えています。奈良県支部は、これからも住民の方々といっしょになって脳卒中に関するさまざまな活動に取り組んで参ります。奈良県支部 支部長 土肥 直文(奈良県西和医療センター院長)設立時の全国分布
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