埼玉県支部は、2005年度(2006年2月)に設立され、初代支部長をお務めになったのは棚橋紀夫先生(現・埼玉医科大学専務理事)です。創立以来の副支部長、丸木雄一先生(現・埼玉県医師会副会長)、丸木親先生(現・越谷市立病院院長)、清水庸夫先生(前・関東脳神経外科病院理事長)のご指導の下、埼玉県疾病対策課、埼玉県医師会、県内機関病院やクリニックの先生方が一体となって運営して参りました。清水先生は2022年3月でご勇退されましたが、他3名の先生は現役でご活躍中です。 これまで、患者様やご家族向けにはFAX・電話相談、医師へのrt-PA適正使用講習会や製薬会社共催の講演会、メディカルスタッフ対象のPSLS講習会の定期的に開催して参りました。2013年は日本脳卒中協会第16回脳卒中市民シンポジウムが埼玉県(大宮ソニックシティ大ホール)で盛大に開催され、朝日新聞に掲載されました(写真)。医師会や行政との連携も緊密で、循環器病対策基本法の制定後、循環器病対策推進委員会、脳卒中部会が全国で最も早く開催されました。また、埼玉県が全国に誇れるシステムとして、脳卒中救急診療システム(Saitama Stroke Network)があります。救急隊のMC controlと連携し、県内の救急隊員が脳卒中疑い症例を評価し、再灌流療法(rt-PA静注療法、脳血管内治療)適応と考えられる症例を選別し脳卒中専門病院に搬送するシステムです。加えて、県共通システムとして医師会主導による脳卒中地域連携パスが運用されております。 この記念すべき2022年は、10月の世界脳卒中デーに合わせて、いよいよ県として初めて埼玉スーパーアリーナ他の会場でブルーライトアップを計画しております。今後ともどうぞ引き続きのご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。千葉県支部の活動と2018年の思い出 千葉県支部は、2008年度に筆者が支部長として設立されました。以後、山口武典顧問(当時理事長)のご指導の下、「脳卒中市民公開講座」、「Faxによる脳卒中何でも相談」、「開業医のための啓発講演会」、「救命救急士への脳卒中入門講座」、地方自治体の教育委員会との共催による中学校の全校生徒を対象にした「わかりやすい脳卒中のお話し会」を継続開催して参りました。特に「脳卒中市民公開講座」は市役所と協力して毎年近隣の市を巡回する形で行わせて頂き、毎回300人以上の聴講者を集めることが出来ました。 2018年12月に、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が成立しましたが、振り返ると、2008年に山口前理事長が「脳卒中対策基本法」の制定を目指して「脳卒中対策検討特別委員会」を発足されてから10年が経過したことになります。 その間いろいろなことがありましたが、特に、2018年4月の国会では法案提出に至らず、同年7月31日に山口前理事長とご一緒に衆議院議員会館へ出向き、野田元首相に陳情に伺った思い出が蘇ります。その後、11月21日18:30より参議院議員会館B1F B104号室において、『「脳卒中・循環器病対策基本法」の今国会での成立を求める患者・家族・医療関係者の会』が開催され、議連会長の尾辻秀久議員(元厚生大臣)をはじめ、全会派の国会議員71名と代理出席秘書65名の計136名の国会議員に加え関係者61名が出席しました。そして12月10日の国会最終日の未明に本法は衆議院で可決されたのであります。 本法に基づいて設置された「千葉県循環器病対策推進協議会・脳卒中部会」に筆者も委員として参画しております。今後も微力ながら脳卒中の啓発事業に取り組んで参ります。千葉県支部 支部長 小林 士郎(成田リハビリテーション病院院長 日本医科大学千葉北総病院特任教授)埼玉県支部 支部長 髙橋 愼一(埼玉医科大学国際医療センター脳神経内科・脳卒中内科教授)支部長 小林 士郎
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