日本脳卒中協会 創立25周年記念誌
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 栃木県支部は2005年に誕生しました。支部長 平田幸一 先生(当時、獨協医科大学 神経内科 主任教授、現 同大学副学長)、副支部長 今井 明 先生(当時、済生会宇都宮病院 神経内科 主任診療科長、現 同病院 脳卒中センター 名誉センター長)、事務長 小職(当時、獨協医科大学 神経内科 助手、現 同病院 脳卒中センター センター長・教授)の3人体制でのスタートでした。その後、藤本 茂 先生(自治医科大学内科学講座神経内科学部門 主任教授)に加わっていただき、2020年からは2代目支部長に小職、副支部長に平田先生(支部長代理)、今井先生、藤本先生が就任して活動を行っています。  栃木県支部は開設当初より様々な啓発活動を行ってきました。脳卒中市民公開講座の開催、脳卒中なんでも相談、医療関係者への教育活動は開設当時から継続している活動です。初回の市民公開講座は脳梗塞を起こされたタレントの坂上二郎さんをお招きしました。また2009年には本部主催の「第12回脳卒中市民シンポジウム」を開催しています。2012年からは栃木県庁とともに、県内市町、医師会、小学校、マスメディア等の民間機関と協力して「栃木県脳卒中啓発プロジェクト」を行っています。本プロジェクトでは健康祭りイベントや企業で「無料頚動脈エコー健診」による動脈硬化評価、脳卒中をはじめとした血管障害の啓発も行っています。 栃木県の脳卒中の年齢調整死亡率は年々低下していますが、他の都道府県と比較すると高い状態です。これからより一層、県庁や多職種団体と連携し、県民のために予防や発症時対応の啓発、患者さん、ご家族の相談支援に全力を尽くしていきます。 2008年のことだったと思います。山口武典先生から群馬県にも日本脳卒中協会の支部を創設するようにとお話しをいただいたことを大変うれしく、光栄に感じたととともに、当院でいいのだろうかとも思った次第です。というのは全国のほとんどの支部は大学が中心、あるいは公立、公的大病院に設置されていて、当院のような民間の中小規模の病院にはなかったからです。どうしたものかと考え、小生は神経内科医ですから、副支部長は脳神経外科医と思い、当院の脳外科部長にどなたかいい先生はいないかと相談したところ、前橋赤十字病院の朝倉健先生が適任だと。そこで朝倉先生にお願いし、引き受けていただきました。 開設当時、当院は、群馬県支部のホームページ、相談窓口の開設など事務局的な役割を担っていた一方、朝倉先生が地域の中核病院、消防署、行政、医師会などにお声を掛け、脳卒中救急医療ネットワーク(Gunma Stroke Emergency Network:GSEN)を組織し、日本脳卒中協会群馬県支部の実働部隊として、実質的な活動に取り組んでくださいました。GSENは、(1)rt-PA治療実施医療機関の調査・公表、(2)消防との連携、(3)脳卒中地域連携クリティカルパスの作成、(4)市民への啓発活動を精力的に行い、rt-PA施行率の向上、PSLS参加者の増大、連携パスの活用、患者家族のための「ぐんまちゃんの脳卒中ノート」の配布など、実績を上げています。 脳卒中循環器病対策基本計画が群馬県でも作成され、日本脳卒中協会群馬県支部の果たすべき役割は、ますます重要になってきていると認識しています。栃木県支部 支部長 竹川 英宏(獨協医科大学病院 脳卒中センター)群馬県支部 支部長 美原 盤((公財)脳血管研究所美原記念病院院長)初代支部長 平田 幸一支部長 竹川 英宏支部長 美原 盤副支部長 朝倉 健副支部長 松本 正弘

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