日本脳卒中協会 創立25周年記念誌
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 青森県支部は、2007年度に弘前大学大学院医学研究科循環呼吸腎臓内科学教授 奥村謙先生を支部長として開設されました。2010年度には、市民啓発事業として市民講座「脳卒中は防げる、治せる」を奥村先生を演者として初めて開催しました。2012年度には、「ストップ! NO卒中プロジェクト 全国一斉エリア会議」を開催し、弘前大学病院における患者受入れ体制と再発予防への取組みを紹介しました。弘前市立東部公民館主催の研修会へ医師派遣して「脳梗塞および脳溢血の予防について」と題した出前講座も開催し、啓発活動として講演活動を軌道に乗せて参りました。 2013年以降も、開業医教育研修事業としてのストップ! NO卒中プロジェクト in 弘前や、市民啓発事業として脳卒中市民公開講座を継続して開催しました。メディアによる啓発事業も積極的に行い、奥村謙支部長によるテレビ番組「NHKきょうの健康」テーマ:『見逃すな!危ない不整脈』への出演支援を行いました。2015年度からは、支部長が弘前大学大学院医学研究科 脳神経外科学講座大熊洋揮教授に代わり、2017年度には、開業医教育研修事業ストップ! NO卒中プロジェクト 脳卒中週間PR活動ラジオへの出演支援を行い、現在まで計25回に及ぶ講演会を開催して参りました。以降は、コロナ禍のため、残念ながら啓発事業は休止しております。 青森県は短命県ともいわれ、脳卒中の年齢調整死亡率が男女ともに全国で上位となっております。脳卒中専門医の偏在と病院の分散、搬送システムの問題など、問題は山積しておりますが、ひとつひとつの問題を患者さんやスタッフ、医師共々連携し、辛抱強く解決していくことがこれからも重要であると考えております。青森県の脳卒中診療の充実のため、一致団結した取り組みをこれからも継続して参りたいと存じます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。 岩手県支部は、岩手医科大学神経内科・老年科に事務局を置き2009年に活動を開始しました。初代支部長は寺山靖夫先生(現湘南慶育病院副院長)であり、2019年から板橋亮が支部長の任を引き継ぎました。副支部長は小笠原邦昭先生(岩手医科大学脳神経外科/日本脳卒中学会理事長)、菅原孝行先生(岩手県立中央病院脳神経外科/診療支援部長)の両先生にお願いし、未熟な支部長を支えていただいております。 皆様ご存知のように、岩手県は都道府県別の年齢調整脳卒中死亡率のワースト常連県です。岩手県支部は、開業医教育研修事業は毎年行ってまいりましたが、市民啓発事業定期開催への取り組みは不十分でした。 2021年度はボストンサイエンティフィック主催の岩手県脳卒中オンライン健康講座〜脳卒中の予防と治療の最前線〜を後援することができました。また、本年度は岩手医科大学が脳卒中サロンプロジェクトに関わることになりました。生活習慣の問題や、発症後の早期受診啓発など県民自身に関わる要素に加えて、脳卒中医療提供体制の整備も重要です。岩手県は北海道に次ぐ広大な面積を持ち、盛岡市が位置する内陸部と三陸沿岸の間には、北上山地が聳え立っています。この広い県土における脳卒中医療均てん化を念頭に、搬送システムとして岩手医科大学にドクターヘリ基地が整備され、ヘリ搬送による遠隔地からの血栓回収例も増えてきています。加えて、若手医師や非専門医師への脳卒中教育を通じて、適切な診断とエビデンスに基づいた標準治療が広く行われるようにすることも重要と考えております。      青森県支部 支部長 斉藤 敦志岩手県支部 支部長 板橋 亮支部長 斉藤 敦志初代支部長 寺山 靖夫 支部長 板橋 亮

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