脳卒中体験記は、日本脳卒中協会にとって特に重要な活動です。協会のWEBサイトでの説明は以下の通りです。 日本脳卒中協会では、ご自身またはご家族が脳卒中になられた体験を持つ方の体験記「脳卒中後の私の人生」を募集しています。自分らしい生き方をめざして前向きに進む患者さんやご家族の方の人生に焦点を当てることで、(1)脳卒中の患者さんやご家族の励みとしていただき、(2)脳卒中に対する社会的関心を高め、(3)障害を持ちながら生きていくことの難しさについて理解を深め、障害者にやさしい社会づくりを促す、ことを目的としています。お寄せいただいた原稿は、毎年、審査委員会が審査し、入選作品は入選作品集として印刷発行しています。 本事業は協会創立の翌年、1998年に始まりました。以後毎年、全国から19〜191編の作品が寄せられ、入選作品14〜20編を選んできました。うち優秀賞が2編(第1〜12回)または1編(第13回以降)、佳作が4〜7編選ばれ、その他が入選です。この他、優秀賞に準ずる特別賞1編が過去3回選ばれました(4,8,16回)。 入選作品集は印刷発行し、応募者全員や協会員に送っています。協会創立25周年の2022年には、厚生労働省循環器病普及啓発事業委託費を使って、作品集を全国公立図書館約3,300カ所に送付し、供覧を依頼しました。 貴重な体験記を長く世の中に残すために、これまでの優秀賞作品を、掲載承諾の得られた方から順に協会WEBサイトに掲載しています(脳卒中体験記「脳卒中後の私の人生」アーカイブ)。また、第19回以降の優秀賞作品は「特別企画:聴く脳卒中体験記」として朗読ビデオを作成し、協会WEBサイトに掲載しています。日本脳卒中協会 理事長 峰松 一夫日本脳卒中協会 専務理事・事務局長 竹川 英宏日本脳卒中協会 常務理事 橋本 洋一郎 脳や頚の血管が詰まる脳梗塞に対して、2005年10月から静注血栓溶解療法(rt-PA治療)ができるようになりましたが、しばらくの間、その治療件数には大きな地域差がありました。このため2009年2月5日から毎年2回、日本脳卒中協会支部に加え、「rt-PA治療実施医療機関公表検討委員会」が治療状況などを細かく精査し、患者さんが安心してrt-PA治療を受けられるよう、また救急隊が搬送する病院の参考にできるよう、「rt-PA治療実施医療機関」を公表してきました。この場を借りて精査に御尽力頂きました皆様に御礼申し上げます。 現在は多くの専門病院で治療ができるようになり、2018年6月から「脳卒中診療提供体制等検討委員会」と名称を変更し、「rt-PA治療実施医療機関」の公表事業を終了することができました。 2006年にがん対策基本法が成立し、がん診療が大きく変貌しました。がん拠点病院では「がん相談支援センター」が設置され、また「がんサロン」の運営サポートを行っています。 2018年12月に循環器病対策基本法が成立し、2020年10月政府の「循環器病対策推進基本計画」が発表されました。このような動きの中で日本脳卒中協会はピア・サポートの場である「脳卒中サロン」の設置を行うためのモデル事業「脳卒中サロンプロジェクト(Stroke salon project:SSP)」を岩手県支部、栃木県支部、大阪府支部、兵庫県支部、熊本県支部でファイザー公募型医学教育プロジェクト助成を受けて行うことになりました。 この取り組みによって全国的に「脳卒中サロン」を広め、地域における脳卒中患者・家族のサポート体制を向上させます。ピア・サポートを通じて、患者・家族の不安感・孤立感を軽減するとともに、必要な情報を提供し、社会参加を支援することができます。脳卒中体験記「脳卒中後の私の人生」rt-PA治療実施医療機関公表検討委員会脳卒中サロンプロジェクト患者支援事業
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