日本脳卒中協会 創立25周年記念誌
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テーマ司会  さて、最後のテーマに行きたいと思います。今後の課題として竹川さんはどのようなことをお考えでしょうか。竹川  日本脳卒中協会は公益社団法人ですので、公益事業と収益事業の2つの事業が走っています。公益事業はお金儲けをすることが目的の事業ではありませんが、何かを発信しようとすると、どうしても資金が必要になります。ですから、これまで以上に、企業・団体さんにサポーターになっていただきたいのと、資金運営の要は、やっぱり会員の皆様からの会費が重要になりますので、皆さんにぜひお声がけをいただいて、サポーター、会員を増やしたいと思います。それと、多職種の各団体さんも、みんな同じ方向を向き、最終的な目標ゴールは同じだと思います。そういった団体とうまく協力をして、相乗効果で患者さんご家族のために大きな力になっていくべきだと思いますので、そういった団体との連携協力ということもしっかりと考えていくのが必要だと思います。峰松  今、竹川事務局長が言われたことは、協会としても大きな問題と考え、数年前から経営会議を立ち上げて、経営面での課題をどう改善していくかを協議しています。会員獲得の問題、寄付の強化の問題、それから遺贈のこと、こうしたことに取り組んでいます。それと、厚労省からの委託という形で仕事をしていますが、これは資金の使途が厳しく制限されているのが少し難点です。今は一度にいろんなことをやらなくてはいけないので、ちょっと焦っているところですが、できるだけ早いうちにこういった問題の方向性を明確にしていきたいです。司会  中山さんは、財政の問題と人材確保についてはどのようなお考えがございますか。中山  やはり活動のすそ野を広げるということで、一緒に活動して下さる方を増やすということが大事だと思います。たとえば、行政や健康保険組合で活動されている保健師さんと一緒に活動をすることは、啓発に有効だと思いますし、それから相談支援に関しては、理学療法士さん、作業療法士さん、言語聴覚士さん、医療ソーシャルワーカーさん、それに患者さんやそのご家族にも啓発に関心の高い方がおられますので、そういった方がたと協力することで、仲間を増やし、そのことが財政面での改善にも繋がっていくのではないかなと思います。 日本脳卒中協会の強みは、これまでの経験だと思います。いろいろな啓発活動をしてきて、どういう啓発が有効であるか、どういう資材を作ればいいかというノウハウをかなり蓄積しています。そういったものを大事に活用していくことが大切だとも思います。司会  藤井さんはいかがでしょうか。藤井  啓発や相談支援に関する情報を市民の皆さんに入手していただくためには、そういった情報がいろんなところで提供される体制が整っていないといけないと思います。そのためには、医療従事者だけではなく、たとえば福祉用具を使われている方や、介護職の方、さらには成年後見制度に関わる司法書士や弁護士などとも協働していくことが大切ではないかなと思います。司会  今後のことについて、川勝さんはどのようにお考えでしょうか。川勝  脳卒中になられた方やその家族が、脳卒中について、知ってほしいし、もっと声を上げてほしいと思います。そうすることによって、自信を深めると思うんです。私は神奈川県と東京都の協議会の委員をさせていただいていますが、そこで感じるのが、やっぱり患者家族目線が足らないということです。ですから私たちはもっともっと声を上げて、全都道府県の全支部で、いろいろな方に、患者目線、一般市民目線で発言していくことが、協会の役割だというふうに思っています。司会  今までの皆さんの話を踏まえまして、これから日本脳卒中協会が目指すものについてど藤井 由記代4日本脳卒中協会が目指すもの

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