公益社団法人 日本薬剤師会会 長 山本 信夫公益社団法人 日本看護協会会 長 福井 トシ子 この25年の間、社会は大きく変わり、脳血管疾患はわが国の死亡の第4位、介護を要する状態となった主たる原因になっています。急性期治療は大きく進歩しましたが、発症から急性期、回復期の治療、リハビリテーション、自宅での生活まで、切れ目なく適切な医療を迅速に提供していくための体制確保が課題として残されています。そのような中で、貴協会が10年にわたり、法制化に向けて精力的に取り組まれた、脳卒中・循環器病対策基本法が2018年12月に成立したことは、わが国の脳卒中対策の新たな始まりとなりました。 日本看護協会では、脳卒中分野での水準の高い看護実践ができる「認定看護師」の養成に取り組んでいます。現在、766名の認定看護師が、病院や訪問看護ステーション、介護保険施設等、あらゆる場で脳卒中患者・家族に寄り添い、重症化予防や生活の再構築に向けた支援、意思決定支援等に取り組んでいます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、脳卒中救急医療体制に重大な影響を及ぼしました。安心・安全な医療提供体制の確保とさらなる脳卒中予防の推進を、貴協会の皆様と一緒にすすめていきたいと願っています。 最後になりましたが、25周年という節目の年に、貴協会の礎を築いてこられた諸先輩方の功績に改めて敬意を表するとともに、貴協会の益々のご発展と、皆様のご活躍を心より祈念いたします。 日本脳卒中協会が創立25周年をお迎えになられることに、心よりお祝い申し上げます。 以前、日本人の最大の死亡原因は脳卒中でした。現在もがん、心疾患に次いで死亡原因となっています。脳卒中患者の多くは運動麻痺や失語症などの後遺症があり、社会復帰への困難さが大きな問題であることが指摘されております。また、寝たきりや認知症につながる原因にもなり、患者とその家族のQOL低下のみならず、医療・介護費増大など社会的にも脳卒中の与える影響は甚大であると言えます。 1997年3月、貴会は脳卒中に関する正しい知識の普及、社会啓発によって新たな脳卒中発症の減少に寄与し、脳卒中患者・家族に対する情報提供、自立のための支援を促進することにより、患者・家族の不安等の軽減とQOL改善を図り、国民の保健、福祉に寄与することを趣旨として設立されました。 一方、国は、医療機能の分化・連携の推進を通じて、地域において切れ目のない医療の提供を実現し、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図ることを目的として、5疾病・5事業・在宅医療を主な課題として医療計画を策定しております。 今後の高齢社会における医療・介護を考えますと、貴会の設立・活動は、時代の要請に応えたものであると考えております。また、2018年の第197回臨時国会において成立した「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」は、まさに貴会のご尽力の賜であります。現在、脳卒中患者とその家族に対するシームレスな医療・福祉連携を充実させるため、「脳卒中相談窓口」を順次広げて行くことにも着手されておられます。そこでは、薬剤師も専門職として構成員に含められており、医薬品の適正使用や安全・安心な薬物療法の支援と併せ地域の身近な相談窓口として尽力してまいります。また、本会も一般市民や薬剤師への啓発に向けて、今後もなお一層の協力体制を進めて参りたいと考えております。 最後に、日本脳卒中協会の益々のご発展と会員の皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、日本薬剤師会を代表してのお祝いの言葉といたします。 日本脳卒中協会の創立25周年を、心よりお慶び申し上げます。 日本看護協会を代表して、一言、お祝を申し上げます。 貴協会が創立以来、脳卒中に関する正しい知識の普及及び社会啓発による予防の推進、並びに患者の自立と社会参加の促進を図ることで、患者・家族の不安と生活の質改善に力を尽くされてきたことに、心よりの敬意の意を申し上げます。祝 辞祝 辞
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